家づくりとお金
家を建てることは、多くの人にとって一生に一度の大きな決断です。そのため、予算や資金計画についてしっかりと理解しておくことが重要です。ここでは、注文住宅を建てる際に知っておきたいお金に関する基礎知識を、カテゴリごとにわかりやすく説明します。
住宅ローンの選び方
住宅ローンの金利タイプには大きく分けて3つのタイプがあります。どのタイプを選ぶかは、それぞれの家計状況や将来のライフプランによって異なります。
固定金利
固定金利は、ローンの返済期間中、金利が一定で変わらないタイプです。将来的な金利上昇リスクを避けるための「保険」と考えることができます。そのため、金利が低い変動金利と比べると、保険料としての上乗せ分があるために毎月の支払額が高くなる傾向があります。
変動金利
変動金利は、金利が市場の動向に応じて変動するタイプです。一般的に固定金利よりも低い金利が適用されますが、将来的に金利が上昇するリスクがあります。借入額が少ない方や繰上返済を計画している方には向いている場合があります。
固定期間選択型金利
固定期間選択型金利は、一定期間は固定金利、その後は変動金利に切り替わるタイプです。例えば、子どもが小さいうちだけ固定金利にしておき、その後は変動金利に切り替えることで、最適な金利プランを選択することができます。
予算の設定
家づくりの予算設定は、将来的なライフプランを見据えた慎重な計画が必要です。「借りられる額」と「返せる額」は異なるため、自分たちの家計に合った無理のない予算を設定しましょう。
借りられる額と返せる額の違い
金融機関で住宅ローンを借りる際、年齢や年収を基に借りられる金額は計算されますが、これはあくまで目安です。重要なのは、将来的に無理なく返済できるかどうかです。例えば、子どもの教育費や老後の生活費を考慮した上で、返済可能な額を設定する必要があります。
家族構成による予算の違い
同じ年収や年齢でも、家族構成やライフプランによって返済可能な額は異なります。例えば、子どもが複数いる家庭では教育費がかかるため、返済に回せる金額が少なくなります。一方、子どもが一人の場合はその分住宅費に回せる余裕があります。
キャッシュフロー表の作成
ライフプランをシミュレーションするために、キャッシュフロー表を作成することが重要です。収入と支出の推移を老後まで試算し、その結果を基に予算を設定しましょう。これにより、将来的な資金不足を防ぎ、安心して住宅ローンを組むことができます。
ローン費用の目安
住宅ローンにはさまざまな費用がかかります。土地の購入費用、住宅の建築費用のほか、抵当権の設定や保証料など、細かい費用が発生します。これらの費用を事前に確認し、資金計画に組み込むことが重要です。
諸費用の目安
一般的に、住宅ローンに関する諸費用は融資金額の2〜5%が目安です。例えば、借入金額が1,500万円であれば、30万円程度の諸費用が必要です。
印紙税
住宅ローンの契約書には印紙税がかかります。借入金額によって印紙税の金額は異なります。
事務手数料
住宅ローンの事務手数料には、定額方式と借入額比例方式があります。定額方式では、借入額に関係なく一定の手数料がかかり、借入額比例方式では、借入額に応じた手数料がかかります。
抵当権設定費用
住宅ローン融資の抵当権を設定する際には、司法書士に支払う登記手数料が必要です。手数料は融資額によって異なりますが、一般的には5万〜10万円が目安です。
保証料
保証料の金額は、借入額や返済期間によって異なります。フラット35などの住宅ローン商品によっては保証料が不要なものもあります。保証料の支払い方法には、借入金利に上乗せする方法と、借入時に一括で支払う方法があります。
火災保険料
住宅ローンを利用する場合、火災保険への加入が義務付けられています。一般的に10年までの長期契約が多く、申込時に加入が必要です。
団体信用生命保険と保障特約
住宅ローンの返済中に不測の事態が発生した場合、家族に大きな負担がかかります。そんな時に備えるための「団体信用生命保険」があります。
団体信用生命保険の種類
団体信用生命保険には、住宅金融支援機構のフラット35に付加できる「機構団信」と、金融機関が提供する「金融機関の団体信用生命保険」があります。機構団信には、死亡・高度障害状態時に全額弁済されるもの、三大疾病保障付きのもの、夫婦連生団信などがあります。
疾病保障付き住宅ローン
疾病保障付き住宅ローンは、がんや急性心筋梗塞、脳卒中などの重大な病気にかかった場合に、住宅ローンの返済が免除される特約が付いたローンです。特約保険料は、住宅ローンの金利に上乗せされることが一般的ですが、最近では上乗せ金利を取らない金融機関も増えています。
まとめ
注文住宅を建てる際には、予算や資金計画をしっかりと立てることが重要です。住宅ローンの選び方や予算の設定、諸費用の確認など、事前にしっかりと準備をしておくことで、安心して家づくりを進めることができます。また、団体信用生命保険や疾病保障付き住宅ローンなど、不測の事態に備えるための保険についても理解しておくことが大切です。これらの知識を基に、理想の家づくりを実現してください。